はじめに... 2

一般的に、陰陽五行というと、
すぐに占いと結びつけられてしまうことが多く、
そのことが、私にはとても残念に思われます。
 
 
古代、陰陽と五行は、別々に考えられていました。
 
この世には、陰と陽がある...という考え方です。
 
たとえば、
太陽の光が若葉に当たっている状態においては、
陽光の当たる側が陽、当たらぬ側が陰となります。
 
また、
若葉には、見かけ上の表裏がありますが、
風など生育の環境や枝振りによって、
 
自然かつ自発的に、陰陽が逆転することがあり、
 
この逆転は、
男女のありよう...を思い浮かべるとよくわかります。
 
 
現代のように、女性が強くなかった時代、
大黒柱となる男性は陽、支えとなる女性は陰と考えられていました。
 
男女は持てる能力の中で協力し、影響し合い、
なかには そうできぬカップルがあるものの、
 
メイクラブの場面においては交合することで中和し、
 
時に、女性上位となって陰陽が逆転することもあります。
 
 
 
昭和の半ば頃までは、小説の世界においては
「陽根」「女陰」と表されることも多く、
 
江戸期の長唄「小鍛冶」では、
 
「......火加減湯かげん秘密の大事 焼刃渡しハ陰陽和合  露にも濡れて薄紅葉 染めて色ます金色ハ 霜夜の月と澄み勝る手柄の程で類ひなき...」
 
 
と、刀鍛冶の名人となる若者の
鍛冶作業のクライマックスシーン、
 
そのあたりを「陰陽和合」と表現し、
すぐに「露にも濡れて...」と続くところなどを知ると、
江戸人の色っぽさと粋に感嘆せざるを得ませんが、
当時、陰陽の考えが庶民に根付いていたことが窺えます。
 
長唄は、あの頃、BGM的な存在だったのです...。
 
 
また、
栄養事情、衛生事情など諸々の理由から、
当時、子供が育ちにくかったこともあり、
陰陽和合は国政の大事案件のひとつでもあったのです。


 

DSCN9266.JPG

 

陰陽の思想は、程なくして五行と融合し、
複雑な意味を持つようになりましたが、
陰陽五行に関しての参考文献は、
古くは天武天皇の頃から木簡などに残されています。
 
 
さて、五行ですが、
 
五行とは、地球上の成分を大まかに分けたものであり、
五つのエネルギー、五つのエレメントのようなものです。
 
 
五つの種類は、以下、
 
1) 植物の 木、
 
2) 太陽の 火、
 
3) 大地の 土、
 
4) 鉱物の 金、
 
5) 海川の 水、
 
 
しかも、
五つのエネルギーは絶えず動きまくっていて、
一分、一秒、と同じところにはありません。
絶えず、リレーのように規則正しく循環しているのです。
 
そして、そのどれにも、陰陽があり、
 
朝昼晩、春夏秋冬(土用)のように、
クルクルと規則正しく循環し、
今も、暦と伴走しながらグルグル回り続けています。
 
 
この、グルグルと回り回っていることを、
「行」(メグル)という文字で表し、「五行」としたのです。
 
つまり、
陰陽五行とは、
【地球には陰と陽があり、
そこでは、陰陽五つのエネルギーがグルグル行っている】
 
という意味になります。
 
 
 
書いてしまうと、少しも面白くない概念ですが、
 
このことが、
どれだけ私たちの暮らしに結びついていることか...、
 
少しずつ少しずつ、お伝えして参りたいと思っております。
 
 
※ちなみに、
写真の小皿料理は、
 
陰陽五行の概念から出来た、五つの調理法によって拵えたものの一例。
 
煮る、揚げる、蒸す、焼く、生のまま、という基本的な五種の調理法です。

 
 
次回につづく...。

 

 

 


 

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