作品(伊藤若冲写し)


どの作品も自分の子供のように可愛いけれど、

こちらの染め帯は、最も苦労しただけに一入の思いがある。

美意識の塊のような女性の元にお嫁入りが決まり、

こういう作品に目を付けられるとは、お目が高いなぁ...と嬉しくなる。

自分がよいと思っていても、評価されてこそなので、素直にありがたい。



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よく、「お売りしたくないんでしょ...」と、言われるけれど、

そんなことはないし、いや、あるかもしれない...。

創るのは得意ですが、

命がけで創っている作品は、可愛い娘も同然。

身を削っている職人気質は、

販売...となると、あんまり得意ではないのです。


お客様と盛り上がるだけ盛り上がって、

それで嬉しくなってしまうので、

今日までよく生きてこられたなぁ...とさえ、思います。


ま、あまりにも、業界が酷いので、

お客様からイヤなお話ばかり聞かされてしまうこともあり、

商売気がないと云われても、コツコツと真面目に続けたいと...。


着物や帯は、あくまでもお好みであり、出会いものだと思います。

だからこそ、

お似合いの方の元にお嫁入りして欲しい...と思うのです。


よって、

その方のお顔が映えるような色合い、柄行き...が第一であり、

その前に、

帯であれば、その方の箪笥の中のお着物に合うものを...、

着物であれば、お手持ちの帯に合うものを...と、思うのです。


初心者の方であれば、

お話をお聞きし、

ご趣味やライフスタイルにあった「きもの計画」をお手伝い致します。


私は「染め帯」が「死ぬほど好きなくらい」好きなのですが、

本金や金箔、刺繍を施した上等な染め帯は訪問着にも締められ、

簡素な染め帯なら、木綿の着物によく似合います。


染め帯といっても、ピンからキリであり、

お生地がよければ、いっそ無地も素敵。

色のセンスが遊べて、どうとでもなるのです。

そのうち、

染め帯のきこなしについては、色々な例をお見せしたいと思います。



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染め帯といえば、

私は無地の着物でスカッと着こなすのが好きです。

特に、古代縮緬の上品な色艶で着こなす染め帯は、女らしい風情があります。

(写真は、全て古代縮緬の色無地です。実際の色が反映せずにとても残念...)


下の写真は、琳派ならではのブルーですが、甘いグレーに撮れてしまいました。



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下の写真は、吉岡黒茶に染めたものですが、

こういうこっくりした色に染めますと、

古代縮緬は紬の方々のグループに混ざっても違和感がありません。

よそ行き過ぎず、気軽にまとえます。


お洋服の世界でいうところのハングの良さで、縦線がスッキリと細く見え、

お仕立て映え、着映えする一枚となるでしょう。


とろがもう、機屋さんでは糸の確保が出来ず、

こちらの古代縮緬は、私のところも在庫が終わり次第、THE・ENDとなります。

(グローバル化のせいで、日本のよきものが、どんどん消え去っていきます...)



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以下、60代以降の方に合わせて帯締めの例を幾つか...。

この帯の場合は、帯揚げは、上質な白で。



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白い菊の花びらは面相筆で描かれていますが、

一部に白い絹糸で刺繍を施そうかと、随分迷いました...。


お太鼓の本金のあしらい方は、今までの作品とは違った味わいに仕上がり、

これはこれで好かったと思っております。


京都、相国寺で見た伊藤若冲の33幅の掛け軸の内の一幅が忘れられず、

私は3日続けて通いました。

その後、図録を元に移したものですが、

職人さんにも本物を見に行って貰い、チームで若冲の美意識を研究しました。


菊は、お社中のお揃いも含め、たくさん作りましたが、

この一点は、他の作品とはひと味もふた味も違うのです。


今春、倉庫から内出で、嫁ぐことになりましたが、

前帯は、ほんのり可愛らしく、

お太鼓は、エレガントに..と.、どうぞ、少し大きめに締めて欲しいと願います。



※お仕立ては、上質芯と、真綿を引いております。

表面が多少とも揺らぐのは真綿のせいですが、写真はそのことが協調されます。


実際に締めて戴くと、やはり、真綿を引くお仕立ては、

着姿がどこかしらエレガントになり、帯の傷みを防ぐこととなります。




(終)





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