私の一押し!白い帯揚げのこと


幼少の頃から自分できものを着てお稽古に通い、

きものに囲まれた環境の中で、そのことに馴染んだ私は、

還暦が過ぎた今、つくづく、白い帯揚げの「洗練」が嬉しくなります。

この嬉しさは、自分にとっては笑っちゃうほど嬉しいもので、

40歳を過ぎた 初心者の方には、

きものと帯を合わせる時に、必ず、色物と白の違いをお見せしています。

そして、白い帯揚げの経年によるグラデーション、質感のことも...。




しろ - コピー 1.jpg

しろ 2.jpg



きもの人口がすっかり減ってしまい、

地紋入りの白地は、殆ど作られなくなってしまいましたが、

留め袖などの礼装に、

『白』は必須の色ゆえ、縮緬であれば、まだ、作られています。


縮緬の帯揚げは、

粗悪なものでなければ、程よく帯の間に挟まってくれる上、

形もきれいに決まりますので、昔からお勧めの素材でした。

薄手の縮緬(薄すぎてはダメ)、やや厚手の縮緬、

この二種類の白があれば、ほぼ、きもの暮らしに困らないと思います。

(色物がお好みの方にとっては、別の話...)



さて、以前のこと、

40代の頃でしたが、

婦人画報さんのきもの特集のおり、

【色なき色、白の洗練...】 と、そんな原稿を書いた記憶があります。

当時の掲載誌が手元になく、お見せできませんが、


様々な素材の白い帯揚げを10本ほど並べて撮影した記憶があります。

白い絹には、色々なニュアンスがあり、

白といっても、黄変加工などしない上質なものは、

時の流れによる色の変化が美しいものです。

純白からオフホワイトへ、何十年もすると、若い象牙色に...。


40代くらいでしたら、純白はお顔写りのよいものですが、

歳を経るに従い、また、お肌の色が浅黒い方には、

純白でなく、柔らかい白の方が美しく見えますし、

きものや帯の色によっても、白の色調を変えたいものです。

(白と言っても、一律ではありません...)



以前、

サロンに見えて下さった奥様に、

縮緬の白い帯あげを ダダダーッと並べ、色の経過をお見せしたところ、

娘時代の一番古いものを、「こちら、いいわねぇ...」 と、おっしゃって、

愛おしげに取り上げ、離さない方がいらっしゃいました。


「昔のものほどトロンとして、絹の質がよいですよねぇ...」

なんて言って、元に戻していただこうとしても、

その方は、帯揚げを離して下さいません。


とうとう、

「私に、こちらを譲っていただけませんか...」などと、真剣におっしゃいます。

「えぇっ?! それは私の味が染みこんでいる古物ですから...」

「そこがいいのですよ」

「わかりました...! そんなにおっしゃるなら、お持ち下さいね」


お買い物の後、

お計算書をご覧になった奥様が、「せんせ、帯揚げのお代もちゃんと...ですよ」


「えーっ!そちらは私の味付きですから、いただけませんことよ」

「せんせ、それは困ります!」

「ま、古いので すぐに切れちゃうかもしれませんけど、可愛がってあげて下さいね」

「もちろん、大切に可愛がります!」


まったく、

今、思い出しても、うふふ...、楽しい間合いでした。


質の良いものをご覧になると、

皆様、ちゃんとおわかりになってしまうのが嬉しい私です。


こうして、

なぜか、4人の方と、同じドラマを繰り返すこととなり、

私の手元には、今、お気に入りの白い帯揚げがありません。

品物の良さをわかってくれるのが嬉しい...と、みんな差し上げてしまいました。


今、使っているものは、 

絹の質も、打ち込みも悪く、しぶしぶ、気に入らぬまま使用しておりますが、

写真の三枚のうち、一番下の帯揚げが ナントカ我慢できる最後の一枚です。




P1010565.JPG

P1010559.JPG



下の二枚の写真(あまりにも実際と違う...)は、

目下、色調整に困っている「ミラーレスカメラ」で撮影したのものですが、

この色ではうまく説明出来ないなぁ...と、幾日も「準備中」 にしていたところ、


昨夜、きもの数寄の友人、一美さんが、

ピカサ(ソフト)で色調整して下さいました。 → 上の二枚の写真です。

お互い純粋にきものが好きなので、

私の逡巡を感じ、助け船を出して下さったのね。

(ドウシテ ワカッチャッタノ...? 嬉しくて長電話してしまいました...)



縮緬の帯揚げひとつに 小うるさい女ですが、

帯揚げは、とても大切な役目をしてくれるものです。

白い帯揚げの魅力につきましては、

縮緬に限らず、

また改めて、別の角度からお話させていただきます。


次回は、

目下、悩みに悩んでいる、「帯幅」「帯芯」についてのアレコレを、

実際の画像を交え、お話したいと思います。




(終)




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