お嬢様時代の大島を熟女が着るとしたら...


よき時代、昭和の上質な色大島ながら、個性的な色柄ゆえに帯が難しい...。

(実際のおきものは、写真より全体的に こっくりとした色彩です)

さぁ、どうしましょうか...?


お召しになる方のお櫛の色が、艶のあるホワイトミンクなこと、

お肌が若いお嬢さんのようにツルピカなこと、小柄で、雰囲気に華があること、

この「4条件」が備わっている幸運に、

今回は、さしたる苦労もなく、以下、とりあえずの帯を合わせてみました。



P1010413.JPG



無難というか、楽に合わせられるのが無地の帯です。

目下、「おにしぼの古代縮緬」で、「冴えた紺色」を引き染めに出していますが、

下の写真は、お召しを染めたもの。


P1010392.JPG



お次は、確か、郡上紬だったと思いますが、

着物地から2本仕立てました。


P1010397.JPG



お次は、特別な紬ではない赤城紬。

着物地を染め、2本仕立てました。


P1010398.JPG



実際と違って、色目が甘く撮れてしまいましたが、

白地にも黒地にも向く、

本当は、もっと渋くて粋な色合い。上質な洒落袋帯です。


P1010404.JPG



今は織り手のいない紬ですが、着物地から作りました。 勿論、日本製。 

厚みのわりにしなやかさがあります。 風情のある上質な鹿の子で女らしく...。

(このクオリティの鹿の子絞りは、もう出来ません...)


P1010407.JPG



錦紗の総絞り。(私物)


P1010410.JPG



あらあら、こちらは、ひどく色味が派手に撮れてしまいましたが、

実際は、大人の可愛らしさのあるさび朱の花織り。


P1010411.JPG



こちらは、写真で十分に伝わる上質な手刺し紅型。

どことなく沖縄の香りがいたします...。 南のもの同士、親和性がありますね...。


P1010415.JPG



合わないかなぁ...と、思いつつ載せてみた、北川弘繪さんの木綿の帯。

数寄者に向く、暖かさ、優しさの感じられる作風は、ただの木綿ではありません。

際立って締めやすく、女らしい風情が...。


P1010418.JPG



幾つかの手法が楽しい、紬地の絞り。

実際の色より随分甘い色に撮れてしまいましたが、着物地から2本仕立てました。


P1010420.JPG



こちらもまた、着物地から二本...のパターンです。

色々な図柄が織り出されていて、文字まで織られています。


P1010425.JPG



試作品として引き染めした、重さのある縮緬帯。

袋帯のような迫力ですから、大島には向きませんが、

色目があうので、載せてみました。


P1010421.JPG



まだまだ番組は続きますが、

私の場合、きりがなくなってしまうので、深いグリーンの帯で この回は終了!


それにしても、

きものと帯の関係というのは、実に不思議。

個性的な色柄のきものには、無地の帯がしっくりと収まりますが、

飛び抜けた色目でなければ、柄ものも、反対色も、意外にOKなのです。


芸達者な帯揚げ、帯締めは、

サンドゥィッチにおける 「辛子バター」 の如し働きをしてくれますゆえ、

全体を合わせてしまうと、あら不思議、それなりに似合ってしまうのです。


よって、

今回、大島に載せた幾つかの帯は、淡い色のおきものにも、

濃い色のおきものにも、小物さえ間違えなければ、似合ってしまいます。


大切なことは、

「素材の格」を合わせることでしょう。

どちらかが上等、どちらかが安物、と、いう場合は、バランスが崩れてしまい、

うまくいきません...。


「格のバランス」は、

おそらく、きものが全身を包むものだからでしょう。

美しい脚、艶やかな腕、豊かな胸を隠す衣装のせい...だからでしょう。



例えば、お買い物の時、

着物と帯であれば、帯に重きを置いた方が素敵に装えますので、

安物の帯だけはお勧めできません。

自分には見えませんが、

帯の素材=お仕立てが悪いと、「後ろ姿が悲しくなってしまう...」のですね。



ま、季節的にも、【どんぴしゃ...!】な、趣味のよいつくりをしたいものですが、

季節感は、帯締めやお草履の鼻緒、バッグなどでも十分に演出できます。

(お洋服の時の靴以上に、お草履は威力を発揮するのです!)


そして、

上級者になればなるほど、「白い帯揚げ」に活躍の場が増えてゆくのですね。

(白の他は、たまに、白地に趣味のよい飛び絞り...など)


色物の帯揚げは、うっかりすると、野暮になったり下品になったり...しますので、

この点、色物がお好みの方は、色目と素材には、十分なご注意を...!



(終)





最新コラム

コメント(0)

このページのTOPへ