天むすの日

夢子家元のご招待で、吉右衛門さんを見に歌舞伎座へ出かけた日のこと、

仕事場に見えた家元は、

新幹線ですえひろさんの「天むす」を召し上がったという。


関西出張の時、

午前中なら必ず「天むす」を求める私は、

「すえひろ」さんの天むすが、一番好き。

午後は店頭に置かれていないので、そういうところも含めて、すえひろファンなのです。

ホームの売店で そそくさと天むすを求める短気な感じも、また、よいのね。




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幕間のお弁当係となった私は、

「ちいさなサイズのものを...」と、いうご希望通り、可愛らしいお弁当を用意。

すると、

今月の「升本」さんのおにぎりは、天むすとおじゃこの二種。

そして、

歌舞伎座で合流の、家元のお嬢様も、

気働きからお弁当をご用意して下さっていて、

それは、「天むすのお弁当」だったのです...!


最終的に、

何とも、微笑ましい天むす日よりであって、

この時のことは、

三人官女の楽しい思い出となったのでした。


気が合っていると、

こういうことがあるのですね。 食べる「異口同音」ていう感じ。




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翌々日、

お嬢様からいただいたお手紙には、

やはり「天むす」の事が書かれていて、

女子高生時代にありがちな、青い楽しさが倍増!三倍増!


天むすの笑い話の後は、

お母様思いの優しい文章のお陰で、

お嬢様の愛情の機微が私にも移り、

母のことが懐かしく思い出されます。



亡くなった母の愛情、

「私が死んだらね、どんなに愛されていたかわかるわよ...」

と、一度だけ言っていた言葉を、

ひとり、反芻することになったのです。


母とは、

歌舞伎座の思い出がいやといっていいほど、あるのです。

富十郎さんが好きだった母、

母の代わりに、私はご子息の鷹之助クンの成長を見守っています。


一方、

成長著しい菊之助を見る度に、

芸にぞくぞくするようになったのが、嬉しきこと。

子供が出来、一家に重みがつくと、ちゃんとした男は、芸がよくなるのです。


五月には菊之助のご長男が初舞台...というので、

これもまた、嬉しきこと。



染五郎は、

どこに向かっているのか、今ひとつ分からない感じがあってやきもきしますけど、

おとっつぁんがアレですからね、仕方ないのかも...。

親離れしていると思いたいですけど、狭い梨園の中ですからねぇ、

心ある人たちは、みんな困っているのではないかしら...。

松竹さんも、もっと間に入って、染ちゃんの「道」を作ってあげてほしいわ。



さて、

五月は、

琳派のブルーの着物に、黒地の菖蒲の塩瀬で歌舞伎座へ...!

後半なら、紫陽花の塩瀬でも。


初日なら、断然、藤ね。



(終)





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