職人魂、職人受難...


朝から晩まで打ち合わせの一日。

(合い間に、大坂からお客様がお見え下さる)

引き染め屋さんの工房に続く和室では、

私専用棚に置かれた生地の山を前に、膝詰めで打ち合わせ...。

今回は、色々な意味で大きな収穫あり。

色に関しては微妙な部分があり、電話とメモでは伝えにくい場合がある。

昨日、

ホテルのお部屋でお預かりした、赤いお羽織の染め変えもご相談。

お嬢様時代のお支度は、モダンでお洒落な羽裏がついていましたが、

「茶」に染め変えるお羽織の裏は、既存のものをアレンジしたい...と、色々、

頭に浮かんでいます...。 (こういうことを考える時間が、死ぬほど楽しい...)




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さて、

昨夕、ご案内させていただいた、富小路六角の「宮脇賣扇庵」さんでは、

関西の冨永さん、そのお弟子さんとの三人でしたが、

お弟子さんの着こなしの素晴らしさは、春にお会いした時のイメージ通りでした!

(お洋服姿でも、お似合いになるかどうかは、大体、わかっちゃいますね)


ヘアメイクは朝美美容室?ですが、

憧れのホワイトミンクヘアは、本当にエレガント!

若い頃から私は白髪になりたいと、今は、へアマニュキュアも止めてしまいました。

が、ホワイトミンクヘアにはまだまだ遠い...。

ジムに、ホワイトミンクヘアのお洒落な女性がお二人いらっしゃいますが、

お会いする度に、「お髪、いいわねぇー」と、言っておりますんです。




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ところで、

留め袖、訪問着の進行にも安堵した夕方、

最後は、帯揚げの生地とデザインの確認に 出向きましたが、

今は社長はんがお一人でなさっていらっしゃるので、しんみりしてしまいます。

でも、お会いすれば、漫才コンビ。

いつお会いしても、大笑いになってしまう打ち合わせですが、

工程やら何やら、一人っていうのんは、なかなか大変。

私も一人ですからね、よくわかります。


帯揚げなのに、古代縮緬の生地を使い、これから絞りの加工をして戴きます。

もちろん、国内で作ります。(以前、繰り返し制作したヒット品のリメイク)

日本の生産地を大切に、日本の優れた技術を大切に...と、思うのです。




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一日中、走り回っていたら、祇園に着いたのが6時半過ぎ。

知人に電話して、「泉門天」の餃子と八坂さんのお詣りにつきあって戴きました。

充実した一日ながら、お箸を持つのも億劫なほど疲れてしまい、

げっそりとした眼鏡の女将です。

なぜか、祇園らしい小振りの餃子に安堵し、生ビールと胡瓜のお漬け物に安堵し、


八坂さんでは、

引き染めが、全てうまく行きますよう...、絞りがよい手でありますよう...、

進行中のきものが綺麗に仕上がりますよう、

職人のオトーサマ達が健康でありますよう...と、手を合わせました。


昨日は東京からの仕事が徹夜になり、明け方は図案と格闘していましたからね、

お詣りの後は、アフターなしで、バタンキュー! 10時間睡眠を希望致します!



それにしても、

真面目によいものを作ろうとする職人には、受難の時代が長く続いています。

そんな中で、

ちゃんと話の通じる人達、職人魂を持っている人達が、未だ存在していることの幸せ、

この幸せを感じながら、

どうして、

呉服業界はヤクザな業界に落ちぶれてしまったのかしら...? と、悲しく思います。



グローバル、グローバルっていわれますけど、呉服業界は商社が入り込んで以来、

ずっと、グローバル推進で来ているのですね。

例えば、

韓国製の大島なんて、絞りなんて、見られたものではありませんけど、

その韓国産のクオリティがあまりにもひどいので、

女の憧れだった大島も絞りも、人気がなくなってしまいました。

現在、

国内産の大島はナントカ...ですが、国内産の絞りの技術は風前の灯火です。


西陣織りの機械の多くは中国に持っていかれ、

丹後の白生地生産は壊滅状態...。

しかも、

今は、友禅がベトナムで作られていて、ベトナム製が京友禅として売られています。

こんな情けないことばかりやっているので、

生産地が痛手を受け、日本の技術は絶滅の危機に瀕しています。


だから、グローバル歴が長いの。ざっと、30年以上はあるかもしれませんね。


ま、売り手側の、着物を着ない男達の意識が低すぎるので、

質の良いものは、「価格面で淘汰」されてしまうのです。


粗悪な生地に粗悪な染料、

不必要な防水加工、安物に偽りのラベルを貼って本物に見せかける等々、

呉服業界のグローバル派のやることは、詐欺まがいというしかありません。



グローバル反対派こそが、良いものを作っているのですが、

実際問題として、高齢化が進み、我慢も限界。廃業も多いのです。


そんな不毛な業界にあって、

今でも、昔気質の職人さんや経営者さんが細々と頑張っていらっしゃいます。


素敵な職人さん達の美しいお話は、何れ、きもののページでご紹介させて戴きます。

美しい魂を持つ、彼等職人の存在を、日本人として、誇りに思います。



(終)




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