お隣席の女性...


エミリーにご招待戴いた「伊達の十役」があまりにもよく、

もう一度見たくって堪らない私...。

こんな思いは 久方振り。 

という訳で、昨日は千秋楽に出掛けたのでした。


染五郎は少しの疲れも見せず、更にパワーアップ! 声も通ります!

あぁ、なんて、いい役者なのでしょう...。


幕が下りてなお、拍手喝采! 総立ちの客席は興奮の渦潮...!!




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客席が総立ちの中、

染五郎は、客席に向かいて右、左と、順に両手を広げ、

客席のエネルギーを吸い込むと、その両手を、右、左と、胸におし抱く。

愛おしげに両手をおし抱く様は、

美しく、色っぽく、当代随一の役者振り...。


この様を、

客席の三方、花道、二階席、三階席...と、丁寧に繰り返し、

当代随一は、

最後の最後、拍手の大音響の中を、舞台袖へ、すっと消えていきます...。


賢く、常に工夫する役者が染五郎であり、

そういう役者にしか身につかない色気が、得も言えぬ「気」を発しています。


(寝不足を払いのけ、出掛けて行ってよかった。 また、明日から頑張ろう...)



それにしても、

昨日は、運良くお隣に座られた女性が、とても素敵な方だったこと...、

このことが、気分良く観劇できたことの要因。 ありがとうございました。


二度目の幕間にお話することが出来ましたが、

染五郎ファン歴の長い方で、京都からお越しでした。

来月は、博多座公演にもいらっしゃるそう...。


「海老蔵は、どの役も同じ...」

「染五郎は、どの役もきちんとこなしている...」


この二つは、世間様の共通評価ゆえに珍しくもありませんが、

長いファン歴がなければ語れぬ「お話」 をお聞きするに至っては、

「なるほど!」  思わず膝を打ってしまいました。


さりげなく、とても素敵なお人柄のお隣席の女性...。

舞台がはねた後、とんぼ返りで翌日はお仕事だそう。

ましてや、

千秋楽も見たい...と、二度目の観劇なのだそう。


「こんなに頑張って演っているのを見ると、自分も頑張ろうって、思いますよね」


オバサンも同感!

歌舞伎って、お稽古をしなければ、すぐにわかってしまう世界ですものね、

染五郎の精進がどれだけのものか、

今回の十役も、どれほど演りたかったか...、

そのはじけっぷり、アドリブを見るにつけ、深い思いと努力が伝わってきます...。


階段を下り、出口までご一緒できたお隣席の素敵な女性、

一日が過ぎてなお、余韻が残ります...。


いつかまた、

歌舞伎座、南座あたりで、

いや、来年の明治座で、偶然、お会いできますよう...。




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さて、

幕間に、ラウンジで和風サンドをいただいていると、

お相席の奥様が、恥ずかしいほど服を褒めて下さり、

しかも、3度も褒めて下さったので、ちょっとパチリ!


私をご存知の方は、「また、いつもと同じデザインね...」 という、代物。


私には4つしかデザインがなく、笑っちゃうほど、何十年も着回します。

そのうち死ぬので、

もう新調の必要はありませんね。


どの神様かわからないけれど、

神様に、「おいで...」って手招きされたら、

その日が人生の千秋楽。


千秋楽の朝は、

令子さんの「おにぎり」と、自作の「お味噌汁」、「お漬け物」がいいけど、

身体が弱ってきたら、徐々に食を断つのかしらねぇ。



橋本治さんは、

机に向かっていて、原稿に「了」 と、書いたまま死ねたら理想的...と、

以前、書かれていらしたけど、この死に方は、作家的に素敵。



染五郎の千秋楽から、

今宵も、おかしな方向にいってしまいましたが、


謹んで、おやすみなさいませ...。




(終)





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