引退公演(東京)


七世・竹本住大夫さんの引退公演。

先月の大阪文楽劇場に次いで、東京は国立小劇場にて。

本公演が終わるともう、あの至芸は聴けなくなってしまいます...。



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文楽廻しがグルッと回転し、住大夫さんが登場すると、

もう、それだけで涙が溢れてしまいましたが、

演目はお父上の引退公演の時と同じ、「恋女房染分手綱」、沓掛村の段。


満89歳。 文楽の大夫歴68年。

執念に、「芸の積み重ね」を載せた声は、

弱くとも味わいが増し、ゆえに、情が増す...。


前後を受けるお弟子、文字久大夫さんの音は、師匠の音に似てきている...。

(住大夫さんの芸風が、しっかりと受け継がれている)


それにしても、

勘違い甚だしき咲浦大夫、ますます勘違いに磨きが掛かっていて、

私は身体の向きを変えるしかなかった。 始大夫も、相変わらず浪花節風。


住大夫席、6列の25番前後で下手な浄瑠璃を聴かされるのは、正に拷問。


文楽の灯を消してはならぬ...と、思うものの、

語りの甲高い張り上げ声を長く聴かされるのは、辛いものでございます。


他に、

浄瑠璃も三味線も聴けず、勝手にドタバタ動き回る人形遣いは見苦しく、

(近年、見苦しい人が多くなってしまっているので)

簑助さんが ひとり登場すると、いつもホッとする。 拍手がしたくなる。


引退狂言のお人形は、

簑助さん、文雀さんの人間国宝が二人も登場され、

安定感のある中堅スターが揃う、安心の豪華版。

人間国宝の引退に相応しい、文楽的華やかさでございました。


三味線の野澤錦糸さん、

相変わらずの張った音は素晴らしく、糸使いの味も端正で粋。


錦糸さんのこれからに、目が離せません。 

この人の芸術的と思える芸が、気になって仕方ないのです。


コンビの大夫が変わり、

住大夫さん後にどう変わるのか、変われぬのか、ちゃんと見届けたいのね。



本日、オバサン評論家なり。



(終)



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