大阪の思い出...3


出張の最終日。

午前中、京都にて仕事。

午後、京阪電車で大阪に...。 生憎、はり重さん定休日。

お昼はたこ焼きと明石焼きで超簡単。

のち、

国立文楽劇場の住大夫さんの楽屋に...。

一昨日、光子夫人とお電話でお話し、近くにおりますから...と、訪問。



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いやぁ、お会いするなり、私の健康を気遣って下さり、感激。

ご自分とて、大病の後やのに...、結果、手を取り合い、近況報告。


「痩せましたやろ、12キロも痩せて痩せて、右をやりましたやろ、

口がよう回りまへんで、しゃくなんですわ」

「へぇ、随分とスリムにおなりになって、住ちゃん、モデル体型ざますよ。

お顔も艶々。それに、何だか、脂が抜けてお上品! まだまだイケます!」


「いやいや、ほんまによう口が回らヘんで、そら、キッパリ決めましたん」

「でもねぇ、よく回ってはります。もしかして、今、ここでリバビリ...?」

「いやいや(笑い) リハビリちゅうて(笑い)」

「ふふ...」

「リハビリ、それがきついんですわ。 今でも週に二度、やってまんのや」

「気が向かれたら、独演会演ってほしいですし、お互いに頑張りましょう!」

「いやもう、6月からキッパリやめます!」

「軽いものなら、全然イケますでしょう...。皆さん、待っていらっしゃいますよ」

「いやいや、自分の気持が許さしまへんのや」(キッパリ)

「せめて、佇まいだけでもいらして欲しいのに...」


「ま、記念に写真でも...、はよ座って座って...」

「いやいや、さすが! よいリハビリでございました!」(笑)



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住大夫さんのお写真たくさんお撮りしたけれど、ツーショットは初めて。

恥ずかしくて、お撮りする側ばかりでしたが、

漫才コンビみたいな会話のせいで、顔が林家パー子になっています。

私の顔は面白いからいいけど、

住大夫さんのお顔を眺めていると、悲しくなります...。


私の中の住大夫さんはもっと毒気があったのに、

目の前の住大夫さんは、すっかり好々爺風。

厳しい芸をやり通した住大夫さんにしかない、新しい佇まいを感じます。


来月の東京公演で、自らに見切りをつけるという判断は潔癖ですが、

来月の東京公演を一日も休まずにやり抜きたい...という言葉を、

91歳の人間国宝からお聞きした時、

「住大夫!」 と、大向こうを張りたくなりました。


こうして書いていても、涙腺が緩みます。


私は住大夫さんの、台詞と台詞の間の、【...と】 の音が大好きです。


お客様との雑談が冗長になると、よく、真似をして、【...と】 って、

お相手の顔を見ながら 間 を 取るのです。

これが出ると、住大夫さんのことを思い出します...。


ファンの方は、きっと、色々な形で、思い出されるのでしょね。


今月の大阪公演は27日まで。 

来月の東京公演以降、もう、あの至芸を味わうことはできないのね。


だから、住大夫さんの笑顔、激写しましたよ。


今宵、

フランス大使館での文化勲章授受のパーティのことなどが思い出され、

本当に淋しい...。  (当時の写真、残っておりました...)



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十数年前...?

四国の内子座での文楽公演後の夜、

パーティでお出会いして以来のおつきあいでした。

「あんさん、よう呑まはりまんなぁ...」 と、日本酒をグビグビいってる私に、

奥様とご一緒にお声かけ下さったのが始まりです...。



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お別れし、のれんの写真を撮りに戻って来ると、次のお客様が...。

この日は、光子夫人の計らいでゆっくりとお別れができましたが、

東京では、最後のお別れのお約束です。

東京の楽屋は行列ですから、短いご挨拶でしょうね。

(住大夫さんが褒めて下さった、あの染め帯でお伺いさせて下さい...)



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しんみりした後、最後に【玉製屋】さんの写真。

美味しいらしいのですが、行列が凄くて諦めました。


私の座右は、

【人間、諦めが肝心】

ま、しつこくできないのね。


こんな性格で、陰陽五行の研究やってるなんて...。

よく頭が分裂しないなぁーって、思うの。


4時過ぎに京都に引き返し、

用事を済ませてから、帰京。



(終)



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