掘って掘ってまた掘って...


西洋から伝来した文化、大陸や半島から伝来した文化、

異国の文化を、日本人は知と心によって洗練させ、日本ならではの

繊細なものとして形に残してきました。

 

戦争に負けてしまったため、素晴らしいものほど流出してしまいましたが、

衣食住の中には、淘汰されずに残っている素晴らしいものがあります。

 

まさに、『和魂洋才』で受け容れた異国の文化は、自国の文化とともに、

熟成していきました...。 

 

 

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カステラは時代とともに洗練され、お豆腐やお揚げは庶民に愛され続け、

洋風化した食器などは、今また、日本の古いものや和食器が見直されています。

爪楊枝にいたっては、廃れているようで、少しも廃れていません。

 

日本は、東側が広い海の太平洋ですからね、

すぐに海の向こうに文化が流れてしまうことがなく、

大切に伝え続けてきたもの、取り容れたもの、あらゆるものをゆっくりと吟味し、

深く、深く、掘り下げて味わい、

日本人ならではの繊細さ、緻密さを重ねていったのだと思います。

 

研究熱心な日本人は、他国へ運んで儲けるのでなく、掘って掘って、掘り下げて、

深みのある文化を形成していったのだと思うの。

 

文化のそこかしこに、

日本人の知と心が散りばめられているのです...。

 

終戦後の日本の文化は、古き良きものが散逸しただけでなく、

戦後68年経った今、幼稚化の道を辿っているのが、本当に悲しい。

 

でも、

庶民に残されている素晴らしい文化があります。

たとえば、打ち出しのアルミのお鍋や和包丁、茶道、華道、日舞等々、

他にもたくさんあるけれど、

淘汰されずに続いている全てのものを、繋いでいきたいと思います。

 

私が伝えていけることなど限られていますが、

それでも、そういうことを忘れずに生きていきたい...。

 

福砂屋さんの絶品カステラ(五三焼き)があまりに美味しく、

お昼に焼いただけの「おあげ」も美味。 しかも、江戸後期の刺身皿が垢抜けていて、

老舗(東京・さるや)の爪楊枝が粋。

 

美術館、博物館でなくては見られぬものはそちらで、

小さな市井の楽しみは楽しみとして、みんなにお福分けして参りたいものです。

 

きものを着た時のスッとした立ち姿、歩き方なども、若い人には教えてあげたいし、

日本人の情緒、風情も伝わっていってほしいものです。

 

世の中が変わり、深く掘り下げることなど難しいことですからね、

せめて、形だけでもね、写真や文で残して参りたいと思います。

 

そういえば、

文楽のこと。

大阪市長の橋本さんは、昨年の興業成績が大阪市の指定額に満たないからという

理由で、文楽への補助を打ち切ることに...というニュースを聞きました。ほんと?

 

人形劇に人が見えるのがわからない...と、言ったりする無粋な御仁ゆえ、

とうとう数字で切り捨てるようですけど、

このことが履行されるのであれば、まったく情けない男ですな。

 

物事には、数字で切り捨てるべきものと、保護せざるを得ぬものとがあってよい筈。

 

生活保護の不正受給者が多すぎる大阪...という面を考えると、

人として、日本人として、複雑な思いがいたします。

 

クソも味噌も一緒にするような、民度の低い裁定としか言いようがありません。

 

文楽は『世界文化遺産』であり、他国での興業はやんやの大盛況でした。

東京では、文楽のチケットは即日完売という盛況が長く続いています。

文楽は大阪が発祥の地ですが、

こうなったら、東京が保護すればよいと思うわ。

 

文楽は、絶対に残さなくてはならぬものの中に入っています!!

 

あーん、なんだか、心が熱いわ。 血圧、上がっちゃう。

 

 

 

 

 

(終)

 

 

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