鰻の佃煮


 鰻の佃煮を見ると、母と母のクラスメイトを思い出す...。

 女学校時代の親友のご実家が、築地場内で鰻を商っていて、

 身の厚い大きな鰻を分けていただいていた。

 (築地場内での屋号は、「カネキ」さんだったと記憶している)

  
 
 それを、素焼きしてじっくりと蒸し、

 白焼きにしたものを「山葵醤油」でいただくのが、美味しかった。

 

DSCN9570.JPG

 

 20串ほどの鰻の半分は、母の手によって「甘辛の佃煮」にされたが、

 佃煮に山葵をたっぷりのせた「お茶漬け」も美味しかった。


 そして、幾春秋が過ぎに過ぎ、

 本日、山葵の尻尾をすり下ろしては、熱々のお煎茶で頂戴いたします。

 
 チビチビ...と、少しずつ大切にいただいているところも、昔と同じです。

 

 濃いめに淹れたお煎茶の渋み、山葵の辛み、鰻の甘辛さが 口中で三位一体。

 しかも、「お茶漬けサラサラ」で、最後は一粒のご飯も残しません。

 この後口のよさ、この満足感は、まさしく日本の味です。

 

 あぁ、なんというのでしょうか、

 日本の味が体に染みついていて、この染みは、死ぬまでとれそうにありません。

  久しぶりに、

  食いしん坊を誘って 築地に行きたくなったなぁ...。

 


 
 (終)

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